季節は春。日差しが辺り一面を優しく包み込む昼前の事、平日には勿体無い暖かな陽気の中僕は仕事中にも関わらず『マリファナ 代用品』というワードでGoogle検索していました。
何故そんな事を調べていたのかというのは事理明白。大麻でトリップしたいけど日本じゃ大麻は禁止だからです。小学生でも分かる事ですね。だから僕は思ったわけですよ。じゃあ同じ効能のある合法植物探せばいいんじゃね？ってね。じゃね？ってね ではない。
この発想は一昔前に流行った合法ドラッグの使用者とまんま一緒ですが、僕は彼らのように正体も分からない様な謎ケミカルが多分に含まれた暗黒錠剤を求める様な事はしません。あくまでナチュラル、自然に、それでいて安全かどうかの裏付けをしっかりした上で宇宙を感じたり色鮮やかな幻覚を見たいだけです。至って健常な思考という他ありません。
そんなこんなで冒頭の検索ワードに繋がるわけです。職場の人も、まさか真面目な顔してそんな事を検索していたとは思ってもみなかったでしょうね。というよりも仕事中にiPhoneをいじるなという真っ当なお叱りが飛んで来そうですが関係ありません。そんな事よりマリファナです。僕に働いて欲しかったら葉っぱを持ってきてください。ほら早く。あ、嘘です。クビにしないで。快楽天買えなくなっちゃう。
くだらないことは置いといて、結果としてはヒットしました。
その名も『益母草（ヤクモソウ）』
別名『小さなマリファナ』とも言われているらしく、大麻と似て多幸感やリラックス効果があるようです。ダウナー系ですね。僕は基本根暗なので、家で1人アヘアヘと多幸感に酔いしれる事が出来る奴の方が好きです。ハイになるのはどうなんだろ…試した事は無いですが、酒に酔って買ったばかりのシュークリームをその場で叫びながら地面に叩きつけたり、走行中の知らない車を「俺の車だ！」と叫びながら追いかけようとしたり等ロクな過去が無いので、多分やらない方が賢明だと思います。誰も幸せにならない。
そんなヤクモソウ、調べてみたら薬局の通販で普通に買えました。天然物がその辺に普通に生えてるらしいので、最悪ビニール袋片手に不健全な散歩を決め込もうとしてた所にこれはありがたい。というわけで早速ポチー。次の日に届くそうです。早い！やったね！（ちなみにこの時も仕事中でした）
翌日
仕事から帰って車を降りると、玄関にミニスカサンタの格好をした美少女がヤクモソウ片手に待っていました。これは夢？はたまた幻覚？楽しみ過ぎて草キメる前に頭が勝手にキマッちゃったのかな？と思っていると、彼女は微笑みながら挨拶をしてきました。
なんでも彼女は今年の4月に新卒で業界入りした出来立てホヤホヤのサンタクロースらしいです。今回は研修という事で上司から渡された住所…僕の自宅を訪ねて来たらしいです。
「どんな人かと思ったけど、優しそうな人で良かったです！」
そう口にする新人ミニスカ生足巨乳美少女サンタクロース（19）。彼女は持っていたヤクモソウを僕に渡すと、唇が触れそうな距離まで顔を近づけてきました。そして
「良い子にしてたら、『本番〝クリスマス〟』も来ますね」
……頬に触れた唇の感触に呆然としていると、彼女はまだピカピカのソリに乗り込みました。そこで僕はハッとなり、慌てて彼女にこう言います。
「クリスマスもその格好で来てくれますか！？」
「や、多分ジャージ履くと思う。寒いし」
そう言って彼女は拙い手つきでトナカイの手綱を握ると、徐々にあかね色に染まる夕暮れ空に消えて行きました。後に残ったのは、僕と、ヤクモソウと、頬に残る暖かい感触だけでした。
嘘です。本当は来たのはヤマト運輸のおっちゃんで、しっかりお金（3600円）も取られました。世の中そんなもんです。この下りいらなかっただろ。
・煎じてみた
という訳でね（YouTuber）、届いたヤクモソウを使ってあれこれしてみましたよ。
まずはオーソドックスにお茶にしてみます。ただ調べても分量が分からなかったので、適当に鍋に入れて20分ほど火にかけてみる事にしました。
ネギぶっ込んだお茶にしか見えねぇ。
試しに匂いを嗅いでみると…
クッセ…
なんかこう、「クッサっっっっ！！！！！」って感じでは無いんですよね。なんならどっかで嗅いだ事あるような匂いなんですが…形容しがたい…とにかくあまり良い匂いではありませんでした。
待つ事20分。出来上がった物をコップに注ぎます。
写真撮り忘れちゃったんですが、鍋の時の色とさして変わりません。気になる味の方は…
……うん…
匂いと同じく、メチャクチャ不味いって程ではありませんがあまり良い味では無かったです。
ほうじ茶の味に少し土臭さを混ぜたような…1口目は「ああ、まぁ」ってなるけど、2口3口と進めていくうちに「いや不味いわこれ」ってなるタイプの味です。普通に不味い部類です。
まぁ正直その辺はどうでも良いんですよ。重要なのはトリップ出来るか出来ないかなんで、味やら臭いなんてのは以ての外です。
んでその肝心なキマり具合なんですが、ぶっちゃけ殆ど変わりありませんでした。嘘でしょ？
確かにまったく効かなかった訳ではありません。言われてみれば体がホッコリしてきたし、なんだかリラックス効果もあります。でもなんだろ…思った程というか…ぶっちゃけプラシーボレベルで片付けられちゃうくらいのもんでしたね…
もしかしたら分量とか変えればまた違ったのかもしれませんが、こんなクソ不味いのを2杯も3杯も飲む気にはならなかったので、お茶に関しては今回はこれで終了です。残念！
・喫煙してみた
お茶で思った程の成果を挙げられなかったので、お次は喫煙の方を試してみました。
となると必要なのは吸うための道具、ジョイント（タバコに混ぜて吸う）って手もありますが、タバコ紙無いしいちいち既存タバコの中身抜いて詰め直すのもめんどくさかったので、アルミホイルで簡易キセルを作りました。
下手くそ。
話逸れますけど、一時期刻みタバコに手出した事があって、その時に買ったキセルがあったんですがいつのまにか紛失してたんですよね。両切りタバコ吸ったりするのに便利だったのに（ビジュアルが煙突みたいだったけど）どこやっちゃったんだろう、と、ここまで書いて思い出しました。友人に壊されて捨てたんでした。そうだ思い出した。
掃除すんの大変だなー、なんて当時ボヤいたら、その場にいた友人が「ここバラせそうだよ、外せば楽っしょ」と外したんですが、そこは接着剤で溜まってた外しちゃいけない部分だったらしく、その後そのキセルが元の姿に戻る事は二度とありませんでした。思い出したら悲しくなってきた。キセルちゃんを返してよっ！（CV：尾崎由香）
閑話休題。セッセと簡易キセルを作りヤクモソウ片手に外へ。車の小物入れからマッチの箱を取り出し庭先に出ます。
そして電柱の下でうんこ座りしながら、加えたキセルの先端に火のついたマッチを近づけ煙を吐くという不審者のお手本みたいな姿で実証開始。気になるお味は…
辛い。
結構きますね、これ。針で軽く突くような刺激が喉の奥に広がります。臭いの方は…ああ、確かに大麻っぽさがあるような感じですね。鼻から抜けるあの感じが大分類似してる気がします。
ただこれも効力の方はイマイチ。ただ単に辛い煙を味わっただけの極めて拍子抜けな結果で終わってしまいました。またも残念…
・終わり
てな訳で終わりです。結局飲んでも吸ってもそうでも無かったですね。
ただこういうのって事前の気持ちを高めたり等のセッティングも大事になるんで、その辺変えたらまた違うかもしれませんね。今回は下準備が不足しててちゃんと集中出来なかったし。次回に期待しましょう。
ちなみにこの日はお茶の項目で書いたように、体のホッコリとリラックス効果でよく眠れそうな気がしてたんですが、何故か全然寝付けない…体の力は抜けているのに、中々眠りに落ちる事が出来ないという不思議な体験をしました。
まぁ多分飲んだお茶の後味で単純に吐き気がしてただけだからだと思いますが真偽の程は不明です。
そしてその後も何故か夜中に2度ほど起き、翌朝には死を選びたくなる程の睡魔を抱えながら仕事に向かいました。この草によって得られたメリット１つもねぇぞ。
そんなわけでヤクモソウを摂取した話でした。
今日はゆっくり眠れると信じて布団にくるまります。おやすみなさい👋
ちなみにこのヤクモソウ、50グラムと間違えて500グラム買っちゃったんですよね。通りで高いと思った。
正直もういらないし、処理しようにも『3600円』って数字が脳裏によぎるし。
どうすりゃ良いんだよ…
