生来の食わず嫌いが災いして、私は食べた事がないものが昔から非常に多かった。
例えば、以前にも書いたが魚を食べれる様になったのは中学校に上がってからだし、枝豆や漬物等つまみに代表される様な物を食べたのは酒が飲める歳になってからである。
なので、友人らと食事をすると度々驚かれる事があった。特に港町に産まれた身にも関わらず、ハマグリを食べたのが成人してからというのは自分でも驚きだ。幼少期から遊んでいた友人達に「本当にこの町で産まれたのか?」と言われたのを今でも鮮明に覚えている。産まれたよ、遊んだだろ。
しかも大体食べたらハマる。それはもう面白いくらいにハマってしまう。
初めてうなぎを食べたのは21くらいだったと思うが、しばらくはすき家でうな重ばかりを食べていた気がするし、20の頃サイゼリヤのたらこソースシシリー風(たらこも食わず嫌いだった)を食べた時には、気でも触れたのかと思うくらいそれを求める様になった。人生で一番サイゼリヤに入り浸った歳だったと思う。めちゃくちゃに太った。
漬物なんて、小さい頃は頼まれたって食わないぞと断固として食べない姿勢を貫いていたが、気付けばテレビを観ながらボリボリと夢中でキュウリの漬物を食べている自分がいる。これに加えて嫌いだった酒、しかも日本酒を飲んでいたのだから、人の成長とは中々めまぐるしい物があるなぁと感じた。(飲み過ぎて吐きまくってからあまり飲めなくなったけど)
若干食わず嫌いから離れかけたが、つまり私はまだまだ食べた事がないものが多いのだ。そして名前は知っているのに食べた事がないものが多いのだ。でもこれは決して損な事などでは無く、この歳にしてこれから沢山の美味な食材に出会えるというのは、むしろ幸福な事なのだろうと思っている。
突然何故こんな話をしたのかと言うと、居酒屋のコースとかで最初に出てくるクソ美味いサラダ。あれの名称が『シーザーサラダ』だと知ったのが先週の事だからだ。
シーザードレッシング。まさかあのクソ美味いサラダの素が、スーパーで手軽に手に入るとは思いもよらなかった。
そして今日も、キャベツやレタスにシーザードレッシングをかけて食った。やっぱり美味い。箸が止まる気がしない。
このシーザー漬けの毎日は、まうしばらく続きそうである。